特別費用

子育てを何年も続けると予期せぬ出費が発生してしまうこともあります。
通常の養育費でまかなえるなら問題ありませんが、高額な出費があった場合は大変です。
その場合、離婚した相手に養育費以外の援助を求めることはできるでしょうか。

母子家庭の経済状況

厚労省が発表した平成23年度の全国母子世帯等調査結果によると、母個人の平均年収は223万円となっています(手当等含む)。いかに厳しい数字かがおわかりいただけるかと思います。
月々20万円あるかないかの経済状況で、突発的な出費に耐えれる保証はどこにもありません。
ですから、離婚の際に養育費の取決めだけでなく、このような状況も合わせて話し合って置く必要があります。

医療費

月々の養育費ではまかなえきれない可能性のあるものとして、子どもの医療費と就学に伴う学費などがあります。
特に医療費は、金額の予測がつきにくく、万が一大きな傷病があった場合には手術・入院費用等で予期せず家計を圧迫しかねません。
しかし、こういう時に離婚した相手を頼るというのは(子どもにとっては親とはいえ)気が引けるという方もおられるでしょう。
そこで予めこのような高額な医療費が発生するケースについては特別費用(月々の養育費以外の負担)として協力してもらえる体制を提案してみてはいかがでしょうか。


入学費用

最近のニュースで、親が入学費を払えずに学校側が子どもの入学式への出席を拒否するという事件がありました。
公立の学校へ進むと言っても、実は以外に費用がかかってきたりします。
それを月々の養育費でまかなう事は現実の問題としてかなりタイトだと思います。
また将来子供を私立の中学・高校に進学させたいと考えている場合、両親共々の協力が必ず必要になってきます。離婚に際しては、このあたりの事もきっちり話し合うようにしましょう。

特別費用を検討する上で、大切なこと

養育費ではまかないきれない出費は、この他にもまだまだ沢山あると思います。
ですが本来、非監護親(離婚後、子どもと離れて暮らすことになる親)は決められた養育費さえしっかり支払っていれば、子どもに対する扶養義務はちゃんと果たしている、という評価になります。
つまり、ここで述べた高額な医療費や学費等は、原則として月々の養育費から出費しなくてはならないのです。
ですから、あくまでこれらの費用について相手が協力してくれる、というのは当たり前のことではないのです。
その点を考えても、離婚後、相手との最低限の関係性を保っておくことは、この特別費用を協力してもらう上で必要不可欠なことなのです。